憧れのCEOは一途女子を愛でる
「そう言われたら悪い気はしないから作ってあげたくなるもんね。でもさ、細かい話だけど食材を買うお金はどうしてるの? 彼氏は出してる?」
痛いところを突っ込まれ、私は視線をテーブルへと下げた。
彩羽が再びあきれて怒り出しそうだと察しはつくが、ここは正直に話すしかない。
「……たいした金額じゃないよ」
「信じられない。冴実に料理させて、彼氏はいつもタダ食いなわけ?」
「私が勝手にしてるの。そんなふうに言わないで」
私は苦笑いをしながら、顔をしかめたままの彩羽をなだめた。
彩羽は私を友達だと思っているからこそ苦言を呈しているのだ。心配しているだけで私を軽蔑しているわけではないとわかっている。
「ごめん、言い過ぎた。冴実が尽くしてる分と、彼氏からもらってる愛情が釣り合ってない気がして、嫌な言い方しちゃった」
急に反省するように彩羽が謝ってきた。
彼女の意見も理解はできるので、私はやわらかな笑みと共に「大丈夫」とうなずいた。
私は一日二十四時間ずっと恋をしている自覚がある。
大学で友人と過ごす時間もそれなりに楽しいけれど、私にとっては恋人の加那太のほうが断然大事だ。
彩羽からは「彼氏の言いなりになってはダメ」と釘を刺されているけれど。
なぜそこまで世話を焼くのかと問われれば、加那太のことが好きだから。
愛し合っていたらお互いに相手を思いやれるし、ずっと仲が良いまま一緒にいられる。私はそう信じて疑わなかった。
痛いところを突っ込まれ、私は視線をテーブルへと下げた。
彩羽が再びあきれて怒り出しそうだと察しはつくが、ここは正直に話すしかない。
「……たいした金額じゃないよ」
「信じられない。冴実に料理させて、彼氏はいつもタダ食いなわけ?」
「私が勝手にしてるの。そんなふうに言わないで」
私は苦笑いをしながら、顔をしかめたままの彩羽をなだめた。
彩羽は私を友達だと思っているからこそ苦言を呈しているのだ。心配しているだけで私を軽蔑しているわけではないとわかっている。
「ごめん、言い過ぎた。冴実が尽くしてる分と、彼氏からもらってる愛情が釣り合ってない気がして、嫌な言い方しちゃった」
急に反省するように彩羽が謝ってきた。
彼女の意見も理解はできるので、私はやわらかな笑みと共に「大丈夫」とうなずいた。
私は一日二十四時間ずっと恋をしている自覚がある。
大学で友人と過ごす時間もそれなりに楽しいけれど、私にとっては恋人の加那太のほうが断然大事だ。
彩羽からは「彼氏の言いなりになってはダメ」と釘を刺されているけれど。
なぜそこまで世話を焼くのかと問われれば、加那太のことが好きだから。
愛し合っていたらお互いに相手を思いやれるし、ずっと仲が良いまま一緒にいられる。私はそう信じて疑わなかった。