恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「里穂子?」

「あ、彰人さん」


 様子を見にきてくれたのか、パウダールームに彰人さんが顔を出した。

 私がひとり笑っていたのをちょうど目撃したのか、「どうした?」と訊く。


「見てください、この指。しわっしわで、なんかおもしろくなっちゃって」

「ほんとだ。大分ふやけたな」

「ですよね。こんなふうになることって、普段ないから」


 それだけ堪能したということだと思うと、改めて感謝の気持ちでいっぱいになる。


「ありがとうございます。こんなになるまで入っていたいくらい、すごくいいスパでした。しかも貸し切りなんて、私にとっては夢のようです。たっぷり癒されました」


 大満足の気持ちを伝えると、彰人さんは「そうか」と言って私のふやけた指を取る。

 そして、躊躇なく指先に口付けた。


「彰人さん……?」


 手先にキスを落とす彰人さんの表情が艶っぽく美しくて、ドキッとしてしまう。

 その様子に釘付けになっていると、中指に唇を触れさせたままの彰人さんと視線がぶつかった。

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