恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 瞑った瞼の裏で、過去の出来事がフラッシュバックする。

 ベッドに強く押さえつけられた手首。『大丈夫だから』と言って強引に広げられた脚。涙で揺れる目で見た、ベッドを離れていく背中……。


『できないとか、嘘だろ』


 吐き捨てるようなその言葉が、未だに耳の奥に残っているような気がした。


「里穂子……?」

「えっ……あ」


 目尻から涙がひと筋流れ落ち、こめかみを濡らす。

 気づかぬうちに涙を流していた私を見て、彰人さんは黙って横から抱き寄せる。


「ごめんなさい、私……」

「怖い?」


 急に泣き出したのを見て、怖いのではないかと思うのは当然のこと。

 でも、決して彰人さんが怖いわけではない。


「いえ、違うんです。怖くは、ないです」


 私を腕の中に包囲した彰人さんは、柔らかい表情のまま黙って次の言葉を待ってくれている。

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