恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
年の頃にしたら、私の両親と同年代かと思われる。しかし、肌は皺もなく美しいし、髪にも艶やボリュームがあるから実年齢よりも間違いなく若く見えるのだ。
女性はゆっくりとこちらに近付いてくる。
長そうな黒髪はフルアップにして綺麗にまとめられていて、皺がなくぴんと張った白い肌に釘付けになった。
ハッとして慌てて頭を下げる。
「ご無沙汰しております。会長は」
「一緒よ。ほら、そこに」
彰人さんと女性のやりとりを聞いて、どきりと緊張で鼓動が高鳴った。そのやりとりで、女性が彰人さんのお母様だと知る。
お義母様は振り返り、視線を投げる。その先には、彰人さんのお義父様と思わしき人と話している姿が見えた。
「彰人さん、そちらの方は?」
お義母様から問われ、お腹の前で組んだ手の中でジワリと汗をかく。
頭を下げた私の背に、彰人さんがそっと触れる。
そんなタイミングで「おお、彰人」と、向こうから話を終えたお義父様が合流した。
彰人さんと同じ、すらりとした長身にスーツがよく似合う背格好のお義父様は、白髪混じりの髪をきっちりとオールバックにセットし、ビシッときまっている。
私の先入観ではなく、人とは違う特別なオーラを発している。きっと、背負ってきたものの重さがその立ち姿に現れているのだ。