恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「よく眠っていたな」

「私……寝ちゃってましたか」


 一緒に映画鑑賞をしていたのに、勝手に眠るなんて失礼すぎる。しかも、私が観たいと希望したものを観ていたのにだ。


「ごめんなさい。せっかくの映画が」

「謝ることなんてなにもない。眠れるときに寝たほうがいいと、いつも言ってるだろう」


 彰人さんがいつもこう言ってくれるのは、私の睡眠を気にしてくれていることともうひとつ。自分自身が隙間時間に仮眠をとることが多いからだと以前言っていた。

 多忙を極める彰人さんは、不規則な生活になってしまうことも多い。もともとショートスリーパーで、睡眠時間は平均して四時間程度だと言っていた。

 もっと眠れないときは、移動時間などの隙間時間に、数十分ほどの短い時間で仮眠をとるという。

 だから、私が今のように眠ってしまっても不機嫌にもならないらしい。


「むしろ、となりにいて自然と眠ってくれるのはうれしいよ」

「え……? なんでですか?」

「だって、眠れるくらい落ち着いた気持ちで、安心してるって証拠だと思うから」


 そんなふうに言ってもらえて、トクンと鼓動が音を鳴らす。

 たしかに、自分でも気づかないうちに眠っていた。居心地が悪かったら、眠ることなんてできないだろう。

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