恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 これは夢を見ているのではないだろうか。さっきの眠りから、まだ実は目が醒めていなくて、都合のいい夢を見ているのではないだろうか。

 信じられなくてそんなことを考えている。


「そばにいるうちに、自分でも不思議なくらい君に惹かれていた。いつも、ふとしたときに考えるのは里穂子のことで、最近は仕事か里穂子のことしか考えていない」


 そう言った彰人さんはクスッと笑い、「頭がいっぱいになるなんて、まるで初恋だな」と付け加えた。


「惹かれる、なんて……そんなふうに言ってもらえるようなこと、私にはなにも」

「挙げたらきりがないが、信じられないならいくらでも挙げてもいい。かわいらしいところ、自分の魅力に気づいていないところ、真面目なところ、人を気遣え、困っている人にはすぐ手を差し伸べられるところ──」


 彰人さんは次々と私に惹かれたところを挙げていく。聞いていて恥ずかしくなってきて、「も、もう大丈夫です!」と、おしまいにしてもらった。

 思いっきり赤面しているであろう私を、彰人さんはふっと笑う。


「離婚前提なんて、よくも言えたと、あのときの自分に言ってやりたい。撤回させてほしい」

「えっ、あ、はい」


 勢い余って〝はい〟と返事をしてしまったけれど、彰人さんは本当に偽装も離婚前提も言わなかったことにしたいのだろうか。


 本当に……?

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