恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
車は、銀座の街を順調に進み、目的のお店前に到着する。
雪島さんが先に車を降り、後部座席のドアを開けてくれた。
彰人さんは雪島さんにここで待機するように指示を出し、私の手をそっと握る。
「行こう」
ただそれだけを言い、お店の中へと入っていった。
彰人さんも顔なじみの店なのか、入店すると挨拶され、ご両親が滞在中の個室まで案内してくれる。
個室の前まで行くと、お店の方は「こちらです」と一礼し来た道を戻っていった。
この襖一枚越えた向こうにお義母様がいると思うと、心臓が不安な音を立てはじめる。
襖に手をかけた彰人さんが、黙って目を合わせ小さくうなずいた。
「失礼します」
覚悟を決め、彰人さんに続いて個室に上がる。
「彰人……どうしたんだ。里穂子さんも」
訪れることを知らされていなかったであろうお義父様は、突然現れた彰人さんと私を見て手にしていた箸を置く。
向かいのお義母様は、黙ったまま彰人さんと私をじっと凝視した。
〝なにしに来たの?〟そんな無言の圧力に怯みかける。