恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
ラウンジに入ると、フロア奥、庭園を望む窓辺の席でティーカップを手にしていた。
はじめて見る、にっこりと微笑んだ顔。その穏やかな表情が向けられているのは、となりに掛ける見知らぬ女性だ。
私と同年代と思われる女性は、揃った厚い前髪に、毛先だけ綺麗に内巻きにされたストレートのセミロングヘアで、淡いピンク色の上品なワンピースを身に着けている。
色白の小顔なのに目は大きくくりくりしている、かわいらしい顔立ちの女性だ。明らかにどちらかのご令嬢といった雰囲気を醸し出している。
手土産の紙袋の取っ手をギュッと握りしめる。
席に近付 いていくと、お義母様の視線が向けられる。今の今までにこにことしていたのに、その顔からすっと嘘のように笑みが消えた。
「こんにちは。ご無沙汰しております」
「あなた……本当に来たのね」
明らかに歓迎されていないお義母様の反応に、心がくじけそうになる。
それでも笑顔を浮かべてみせた。