恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「どちら様ですか?」


 お義母様のとなりにかける女性が突然現れた私を見上げ、にこにこしながらお義母様に質問をする。


「ちょっとした知り合いよ」


 決して彰人さんの妻、自分の義理の娘だ とは言わない。

 女性は「そうですか」と私に向かって微笑んだ。

 お義母様がソファーから腰を上げ、女性のほうに身を寄せるように席を開ける。私のかける場所を空けてくれたと解釈し、「失礼します」と端の場所に腰を落ち着けた。


「それより麗香さん、来月ね、八ヶ岳の別荘でシェフを呼んで食事会を行う予定があるのよ」

「そうなんですか? 暑い時期ですし、避暑地でのお食事会なんて素敵ですね。彰人さんもいらっしゃるのですか?」


 麗香さん、と呼ばれた彼女の口から不意に彰人さんのことが出てきて、思わずどきりとする。

 ちらりと見た彼女の顔が完全に恋する女性の表情で、慌てて目を逸らした。

 間違いなく、彰人さんに好意がある。


「ええ、もちろんよ。麗香さんもよろしかったらいらっしゃらない? 彰人さん も喜ぶと思うわ」

「本当ですか? わぁ、うれしい! ぜひ伺い ますね」

< 254 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop