恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「お前……どけ」

「どきません!」


 キッと睨みを利かせ、この先には行かせまいと両手を広げる。


「どこまでも邪魔する気か……」


 過去の恨みも込めたような彼の言葉に、「手のものを捨てて」と交渉する。


「お前ごときが、俺に指図するって言うのか」


 罵声を浴びせられた過去が脳内にフラッシュバックしてくる。動悸と息切れを感じたけれど、今はそれに構っている場合ではない。

 怖い──でも、心を強く持って、湯島くんを真っすぐ見つめる。


「そこをどけ。さもないと、お前から先にやってやる」

「どかない! もう、私はあなたの言いなりにはならない!」

「黙れっ!」


 すでに興奮状態にある湯島くんに私の言葉は届かない。


「どけぇー!」


 騒然とするホテルのエントランスホールに湯島くんの叫び声が響き渡る。

 ナイフを振りかざしたのを目にし、咄嗟にその腕に飛びかかった。

 そのときだった。

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