恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「私は、結婚式には賛成派です。むしろ、挙げたいです」
自分の希望を伝えると、彰人さんは私の頭に片手を置く。髪を撫でるように触れられ「よかった」と呟いた。
「それなら、いずれ挙式披露宴は執り行おう」
そう言って、まだ特に変化のない私のお腹に手を置く。
「このお腹の子が生まれて、里穂子の体が落ち着いたら、式を挙げよう」
これから迎えるこのお腹の子も一緒に結婚式を挙げられるなんて考えもしなかった。
お腹に触れる彰人さんの大きな手に自分の手を重ねる。
「うれしいです。この子と一緒に、結婚式ができるなんて」
「まだ、先になるけどな。だから今は、里穂子は自分とお腹の子のことだけを考えて。大事にしよう」
「はい。そうですね」
エレベーターに閉じ込められ、引き留められたあの日。自分にこんな未来が待っているなんて思いもしなかった。
私をこんなに大事にしてくれる彰人さんと結ばれたこと。
心から愛する人との間に誕生する新しい命を迎え、これからきっと幸せな未来が待っているに違いない。
「里穂子」
大好きな優しい声に名前を呼ばれ、近付く綺麗な顔にそっと目を閉じる。
慈しむような口づけを受け止めながら、身も心も幸福で満たされているのを感じていた。
Fin


