恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 ほとんど初対面の男性の車に乗り、どこかに連れていかれているこの状況は、普通に考えたら有り得ない。

 どこまで警戒心のない危ない行動なのかと自分にゾッとするけれど、きっとそれは彼に社会的信用があると無意識のうちに判断したからだろう。

 大会社の代表取締役社長という身分の人が、なにか危ないことをするとも思えない。

 それにさっき、『日常的にあんな言葉を浴びせられているのか』と問われたとき、その真剣な眼差しに、不思議とこの人を信じてみたいと思えたのだ。

 走り出した車は宣言通り、十分もしないうちに巨大なタワーマンションの地下へと入っていく。

 打ち放しコンクリートの地下一階の駐車場にバックで駐車をし、「着いたぞ」とエンジンを切った。

 運転席を出た筧さんは、すぐに助手席の私のもとへやってくる。

 ドアを開けてもらうのがなんだか申し訳なくて、「すみません」とそそくさと降車した。


「あの、ここは……?」


 大きなタワーマンションだったと思われるけれど、この中にあるテナントにでもなにか用があるのだろうか。例えば、飲食店だとか……?

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