恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 筧さんのマンションで暮らしはじめてからもうすぐ三週間。

 朝起きて朝食を用意し、その合間に掃除や洗濯をして、仕事に向かう。仕事が終われば帰って夕食の準備をするという平日のサイクルと、平日では手の回らない部分の掃除をこなしたりする。

 そんなふうにして、なんだかんだ新しい生活にも慣れてきた。

 この三週間ほどの間に、筧さんは夕食を必要としない日や、短期の出張で帰らない日があった。

 とにかく、日々忙しい生活を送っているのだということわかってきた。

 私も、退職まであと数日。家政婦として完全スタートしたら改めて気を引き締めてサポートできるよう頑張ろうと思っている。

 スーパーから徒歩数分のマンションへの道にも慣れ、初めは足を踏み入れるのにも緊張しっぱなしだったエントランスにもなんとかすっと入れるようになってきた。


「新しい住まいはここか」


 エントランスの一枚目の自動ドアを目前にしたときだった。

 背後から声が聞こえ、足を止める。

 振り返ってそこに見えた顔に息が止まりかけた。

 一歩、また一歩と近付いてくる姿に瞬きを忘れる。

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