Lost at sea〜不器用御曹司の密かな蜜愛〜
「そうか。阿坂はちゃんとやれるか自信がないからそう言うんだな」
「ち、違うわよ! あんたをメロメロにしちゃったら悪いなって思っただけ」
「おっ、いいじゃん、メロメロ。それなら好都合な気もするし……試しに一ヶ月、俺と疑似恋愛でもしてみる?」
疑似恋愛? 言っている意味がわからず、まるで時間が止まったかのように六花は固まる。しかしそのことは気にも留めずに宗吾は話を進める。
「付き合ってる体でしばらくここで一緒に暮らすんだ。もし無理だと思ったらやめていい。俺だって別に無理強いをするつもりはないし。でも利害は一致しているような気もするけど」
「た、確かにそうかもしれないけど……でも付き合ってる体って……そんな設定必要?」
その時にふと彼が好きだった"アサカ"さんのことを思い出した。あんなに憔悴しきるくらい愛していた人を、彼は吹っ切れることは出来たのだろうかーー聞きたいけど聞けなかった。
「……簡単に言うけど、恋愛ってそんなにすんなりいくものじゃないでしょ?」
「その通りだよ。だからこそお試し期間なんだ。阿坂は恋愛感情がなくても同居や結婚しようっていう考えにはなるんだろ? それなら逆にお互いを異性だと意識出来た方が長続きすると思う」
確かにそれは一理あるかもしれない。けどあなたの心の中にはまだ"アサカ"さんがいるんじゃないの?
「……擬似とはいえ、私をそういう目で見ることが出来るの? 例えば……もし他に好きな人がいるのなら、中途半端に疑似恋愛なんかしない方がいいと思う。無理に異性として見なくたって、ただの同居人でいいじゃない」
六花が言うと、宗吾は表情を強張らせる。それから二、三度視線を揺らした後に再び六花の方に向き直った。
「問題ないよ。一度抱いた女なら尚更そういう想いは抱きやすいし、一応夫婦になるんだから多少のイチャイチャは必要じゃないか?」
彼は自信ありげに微笑んでみせたけど、きっと嘘。やっぱりまだ引きずってるんだわ。
「あぁ、それとも阿坂は俺にメロメロになるのが怖いとか?」
「な、何言ってんの⁈ いいわよ、疑似恋愛でも何でもやってやろうじゃない!」
「そうこなくっちゃな」
彼にとってはアサカさん以外の女は、皆同じになのだろう。つまり結婚するのも、アサカさんでなければ意味がないに違いない。
不敵に笑う宗吾に対し、六花は少し寂しさを感じた。
「ち、違うわよ! あんたをメロメロにしちゃったら悪いなって思っただけ」
「おっ、いいじゃん、メロメロ。それなら好都合な気もするし……試しに一ヶ月、俺と疑似恋愛でもしてみる?」
疑似恋愛? 言っている意味がわからず、まるで時間が止まったかのように六花は固まる。しかしそのことは気にも留めずに宗吾は話を進める。
「付き合ってる体でしばらくここで一緒に暮らすんだ。もし無理だと思ったらやめていい。俺だって別に無理強いをするつもりはないし。でも利害は一致しているような気もするけど」
「た、確かにそうかもしれないけど……でも付き合ってる体って……そんな設定必要?」
その時にふと彼が好きだった"アサカ"さんのことを思い出した。あんなに憔悴しきるくらい愛していた人を、彼は吹っ切れることは出来たのだろうかーー聞きたいけど聞けなかった。
「……簡単に言うけど、恋愛ってそんなにすんなりいくものじゃないでしょ?」
「その通りだよ。だからこそお試し期間なんだ。阿坂は恋愛感情がなくても同居や結婚しようっていう考えにはなるんだろ? それなら逆にお互いを異性だと意識出来た方が長続きすると思う」
確かにそれは一理あるかもしれない。けどあなたの心の中にはまだ"アサカ"さんがいるんじゃないの?
「……擬似とはいえ、私をそういう目で見ることが出来るの? 例えば……もし他に好きな人がいるのなら、中途半端に疑似恋愛なんかしない方がいいと思う。無理に異性として見なくたって、ただの同居人でいいじゃない」
六花が言うと、宗吾は表情を強張らせる。それから二、三度視線を揺らした後に再び六花の方に向き直った。
「問題ないよ。一度抱いた女なら尚更そういう想いは抱きやすいし、一応夫婦になるんだから多少のイチャイチャは必要じゃないか?」
彼は自信ありげに微笑んでみせたけど、きっと嘘。やっぱりまだ引きずってるんだわ。
「あぁ、それとも阿坂は俺にメロメロになるのが怖いとか?」
「な、何言ってんの⁈ いいわよ、疑似恋愛でも何でもやってやろうじゃない!」
「そうこなくっちゃな」
彼にとってはアサカさん以外の女は、皆同じになのだろう。つまり結婚するのも、アサカさんでなければ意味がないに違いない。
不敵に笑う宗吾に対し、六花は少し寂しさを感じた。