転生したはずだった

迷い込んだ世界

考えてみる

・・・この顔と体になった前日の記憶がない

店を出て部屋に戻る

帰る途中缶ビールを6本と適当なサンドイッチを買った

部屋について冷蔵庫にビールとサンドイッチを入れてソファーに座る

外はまだ明るい

何から考えるべきか・・・

落ち着かない

冷蔵庫からビールを取り出して開ける

あの朝は・・・ソファーで目が覚めている

考えられる可能性は・・・

突然死なら脳か心臓に問題があって・・・

そうなるともとの体は使えないから他の入れ物が必要になるか・・・

自殺もあり得るのか?誰かに殺されたか・・・

手違いだったと言っていた意味が解らない

・・・だとしてもこれは誰の体だったのか?

お気楽な転生が自分の身に起こって小説の世界に落ちたのかと思っていたら

ホラーかミステリーの世界にけり落されたような違和感がある

転生したと誤解していたのかもしれない

・・・まてよ

周りの記憶が書き換わったのではなくて私一人の記憶が書き換わっているとしたら?

元の外見とコンプレックスだけが残った記憶ですべてこの体の記憶という可能性もあるか?

・・・単純に記憶障害で変な夢をみたのかもしれない

自分の体ではないと思い込んでいて元々この体だったとしたら精神状態がおかしいか・・・

一番悪い結論だ・・・それだけは避けたいがありえない話ではない

すべてが自分の妄想だった・・・怖い話だ

・・・でもこの部屋に置いてあった服のサイズは体に合わなかった

この体とこの部屋はズレがあるということになる

少しだけ安心した・・・なんか違うか・・・・

・・・あれ?コンタクトレンズとメガネの度は合っていた

どうなっている?

例えばこの状況で私が死んだとする

あの代理人に会って話を聞くことはできるのだろうか?

私の次の死が手違いではなく予定通りだとしたら会うこともなく終わりかもしれない

つんでる

このまま生き続けるのが妥当だろうか?

3本目の缶を開ける

状況を受け入れる

考えてもわからない

私がおかしくなっていないと仮定して

・・・すべてが演出という可能性もある・・・か?

そこまでして私に何をさせようとしているか

それが問題だ

スマホを開く

電話帳とチャットアプリ並んでいる名前は記憶にある

知らない名前は・・・ない

友達かもしれないらんに何人かいるけれどいつからいるのかもわからない

自分の名前を確認する間違ってはいないはずだ・・・

SNSを開く

もう一人の自分がいる

他人のSNSを見ているみたいだった

メッセージ欄を確認する

不思議なコメントがある

「あなたは誰ですか?」

?・・・あぁ・・・プロフィールを見て理解した

アカウントに名前を付けていなかった

なんでもいいか・・・不思議な世界に落ちた気分だった

・・・アリスにしておこうか?

Aliceと入力してスマホを置いた

3本目の缶が空になる・・・天井を見て目を閉じる

質問をした人は名前を聞いたわけではないのかもしれない

意識が遠くなる

・・・少し眠るか・・・
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