幼なじみ社長は私を姫と呼んで溺愛しています
「まずはドレスのご希望をお聞かせいただけますでしょうか」

「えっと…」

「姫に最高に似合うもので」

「千紘っ!!」

スタッフの女性は口元に手を当てて微笑む。

…これ、多分吹き出しそうになって口隠したんだよねきっと。

なんか肩震えてるし、笑いをこらえてる感あるよね。

「…とても仲がよろしいんですね。
素敵なご夫婦で羨ましいです」

…素敵か?素敵なのか?

本当にそう思ってる?

カタログを見せてもらったり、実際使われたドレスを見せてもらったりして、ウェディングドレスを少しカジュアルにしたような、ビジューを散りばめたホワイトのマーメイドドレスを試着した。

背中の件はスタッフとの相談で、少し厚手のストールで隠れるように配慮してもらうことになった。

なんだかんだで選ぶのに時間がかかってしまい…いやそれも当然のことだ。乙女の夢なんだから。

そしてマンションに着いたらもう21時近かった。

疲れた。非常に疲れた。


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