10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「ごめん、彼女を紹介したくて……」

「初めまして、下田敦美と申します」

「敬大の父親です」

名刺を渡してくれた。


代表取締役社長 土屋大樹(つちやだいき)と書かれてあった。


「諒夏は何故いるんだ？そもそも誘ったのは諒夏だったよな」

私がいてもいいじゃないとお父さんに言っている。

「敦美さんは私のお気に入りなの(笑)」

「知り合いなのか」

「そう」

「全く……彼女がいるなら何で日曜日に言わない、鈴村くんの娘さんはお前の事が気に入ってるだろう」

「酒もはいってたし、両親がいる前で断れないだろ？別に結婚するとかは俺はそもそも言ってないけど？」

「確かに、娘さんが言ってただけだな」

「俺に彼女がいるかも確認せずにさ」

「あの子は幼稚園から敬くんと結婚するって言ってたわね」

「マジか、何も覚えてないわ」

どおりで土屋くんの記憶がないわけだ。

「私は小学生だったから何言ってるのこの子はって思ってた(笑)」

「別に日曜日はお前達2人のお見合いをしたつもりはないぞ、海外から戻ってきたから食事に行っただけだからな」

そうだけどさーと土屋くんはお父さんに話していた。

食事が運ばれてきたので会話にも入れず敦美は食べるしかなかった。