極甘悪魔な御曹司の溺愛は揺るがない【財閥御曹司シリーズ伊達家編】
 バーで初めて会った男性と寝るなんて私、なにやってるの! 絶対に誰にでも身体を許す軽い女だって思われた。
 早くここから出なきゃ。颯人さんが戻ってきたら、どう顔を合わせていいかわからない。
 パニックになりながらベッドを出て、床に落ちている服を身につけていくが、焦っているせいかブラのホックがうまくはまらない。
「ああ、もうなんではまらないの!」
 小声で自分を罵ったけれど、手は思うように動かなかった。
 時間をかけている余裕なんてない。颯人さんがシャワーを終えて出てきてしまう。
 ホックをするのは諦めてブラウスを羽織り、スカートを穿いて寝室を出る。
 もう気が急いて頭がおかしくなりそう。
 ブラウスのボタンをはめながら廊下を進むと、昨夜ケーキを食べたリビングがあった。
 テーブルにケーキがほとんど残っていて、昨日の私の失態を痛烈に思い出させる。
 ソファにあったバッグを掴み、昨夜の記憶を辿りながら部屋を出た。
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