誓い~お前は俺が守る~
影のリーダー
不動産会社を社長の夏馬が管理する、空き店舗。

買い手も借り手もないため、チーム“神馬”がたまり場として使っている場所だ。

今日は天馬と浬人、スグル、鈴蘭が四人で遊んでいた。


スマホのゲームで遊んでいる天馬。
今、天馬達がハマっているパズルゲームだ。
天馬の肩に頭を預け、ゲームを見つめている鈴蘭。

「━━━━あ!天くん、浬人くん、スグルくん!
三人に、プレゼントがあるんだ~」
思い出したように顔を上げ、天馬達を見る鈴蘭。

「ん?」
「何?」
「煙草?」
天馬、浬人、スグルが順に答え、微笑んだ。

「あー、煙草はダメ!」

「でもよ、すず。
18歳から、大人だぞ?(笑)」

「でも、煙草もお酒も二十歳から!」

「うるせぇなぁー(笑)」
スグルが笑い、鈴蘭の頬を軽くつねった。

「んー、いふぁい(痛い)!!」
「フフ…すずの頬っぺ、柔らかっ!(笑)」

「もう!スグルくんには、あげないよ!」

「え~ごめん、すず!
ごめんなさい!」

「………フフ…
見て~!」

鈴蘭が、小さな箱を出した。

「ん?この形、どっかで見たな」
「すず、これは?」
「ピアス?」

「うん!
蹄鉄の形の、ピアスなの!」

「へぇー!
神馬の“馬”?」
「うん!
もし、三人が嫌じゃなければ!」
天馬の言葉に、微笑む鈴蘭。

「ありがとな!すず!」
天馬が微笑み、左耳につけた。

「ありがと!」
「サンキュ!」
浬人とスグルも、微笑み左耳につける。

「良かった!」
三人の表情に、鈴蘭もホッとしたように微笑んだ。


「すずはねぇの?」
天馬が、鈴蘭の耳を触る。
「うん」

「俺的には、すずとお揃いつけてぇなぁー」
鈴蘭の耳をぷにぷにしながら言った、天馬。

「いいの?」
「いいに決まってんじゃん!」

「実は、いいなってピアスをネットで見つけたの!」
スマホを操作し、見せる鈴蘭。

「ん?
━━━━━━へぇー!いいじゃん!」

「ほんと?」

「これ、羽だよな?」

「うん!天くんの“天使の羽”!」

「フッ…!
すず、可愛いな!
それ、どこのサイト?
俺が買ってプレゼントする!」

「え?私も、払うよ?」

「いや、俺にさせろよ!
な?
カッコつけさせて?」

「天くん…
うん!ありがとう!」

天馬が自身のスマホで購入し、鈴蘭と共に微笑み合ってそのサイトを眺めていた。
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