非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~【コミカライズ原作】
 倉田は眉間に手を当てていたが、デスクに置いたパソコンを見ると、急に一毬を振り返った。

「そう言えば、このパソコンってどうしたの?」

 牧が「パソコン?」と驚いたような顔をする。

 一毬はついさっき、湊斗のパソコンを受付で受け取ったことを伝えた。


「“ひまり”って、一毬ちゃんの名前を出したってことは、湊斗から託された可能性が高いね……」

 倉田の言葉に一毬は目を閉じる。

 湊斗はどんな状況で、パソコンを運転手に託したのだろう。

 そのことを想像するだけで、身が切り裂かれそうな程苦しかった。


「病院に……行かせてください。湊斗さんの所に……」

 一秒でも早く湊斗のそばに行きたい。

 うつむいたまま声を出す一毬に、牧と倉田は顔を見合わせると小さくうなずいた。


「わかりました。佐倉さんは社長の元に。倉田さんは発表会の準備に取りかかってください。私は早急に会長と奥様の所へ報告に伺います」

 牧の声にそれぞれがうなずくと、一毬はよろめきながら立ち上がった。
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