非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~【コミカライズ原作】
――早く、湊斗さんの所へ。
もつれる足をようやく出し、牧に続いて部屋を出ようとした一毬を、倉田が慌てて呼び止めた。
振り返ると、倉田は必死にパソコンのキーボードを叩いている。
「ごめん。一毬ちゃん……」
倉田がパソコンの画面をこちらに向けた。
そこに映っているのは、電源を入れて立ち上げた最初の水色の画面だ。
「俺には、このパソコンは開けないみたい……」
青い顔をしている倉田に、一毬と牧は「え?!」と声を上げると慌てて部屋に戻る。
画面を覗き込むと、そこには“ユーザー名”と書かれ、文字を入力するスペースが開いていた。
「社長の名前じゃないんですか?」
牧が身を乗り出し、手早くキーボードを叩くが、エンターキーを押した途端、エラーが表示された。
倉田が大きく首を振った。
「俺も今いくつか試したんだけど、ダメなんだ。湊斗の名前とか、誕生日とか……。パスワードじゃない“ユーザー名”だから、複雑ではないと思うんだけど……」
もつれる足をようやく出し、牧に続いて部屋を出ようとした一毬を、倉田が慌てて呼び止めた。
振り返ると、倉田は必死にパソコンのキーボードを叩いている。
「ごめん。一毬ちゃん……」
倉田がパソコンの画面をこちらに向けた。
そこに映っているのは、電源を入れて立ち上げた最初の水色の画面だ。
「俺には、このパソコンは開けないみたい……」
青い顔をしている倉田に、一毬と牧は「え?!」と声を上げると慌てて部屋に戻る。
画面を覗き込むと、そこには“ユーザー名”と書かれ、文字を入力するスペースが開いていた。
「社長の名前じゃないんですか?」
牧が身を乗り出し、手早くキーボードを叩くが、エンターキーを押した途端、エラーが表示された。
倉田が大きく首を振った。
「俺も今いくつか試したんだけど、ダメなんだ。湊斗の名前とか、誕生日とか……。パスワードじゃない“ユーザー名”だから、複雑ではないと思うんだけど……」