非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~【コミカライズ原作】
ここまでくれば、何とか研究成果の発表までは漕ぎつけられそうだ。
「とりあえず、会場に移動しよう」
倉田に促され、一毬はパソコンを抱きしめたままタクシーに飛び乗った。
――名前……名前……。
一毬は何度も頭の中で繰り返す。
湊斗の身の周りの人たちの名前や、自分の名前も入力してみたが駄目だった。
一毬は自分があまりにも湊斗自身のことを、知らないことに愕然とする。
あんなにも愛されたいと願っていたのに、湊斗の誕生日ですら知らなかった。
――湊斗さん……あなたのことを全部知りたい……。
一毬は今まさに、病院で治療を受けているのであろう湊斗の姿を想像する。
さっき湊斗はまだ眠ったままだと、牧から連絡が入っていた。
しばらくしてタクシーはスピードを緩め、発表会の会場となるホテルの入り口に到着した。
一毬はノートパソコンを抱えたまま、駆け足で倉田とともに会場へ入った。
だだっ広い会場には、正面のステージ上にスクリーンがかかり、脇には発表用の演台が設置されている。
「とりあえず、会場に移動しよう」
倉田に促され、一毬はパソコンを抱きしめたままタクシーに飛び乗った。
――名前……名前……。
一毬は何度も頭の中で繰り返す。
湊斗の身の周りの人たちの名前や、自分の名前も入力してみたが駄目だった。
一毬は自分があまりにも湊斗自身のことを、知らないことに愕然とする。
あんなにも愛されたいと願っていたのに、湊斗の誕生日ですら知らなかった。
――湊斗さん……あなたのことを全部知りたい……。
一毬は今まさに、病院で治療を受けているのであろう湊斗の姿を想像する。
さっき湊斗はまだ眠ったままだと、牧から連絡が入っていた。
しばらくしてタクシーはスピードを緩め、発表会の会場となるホテルの入り口に到着した。
一毬はノートパソコンを抱えたまま、駆け足で倉田とともに会場へ入った。
だだっ広い会場には、正面のステージ上にスクリーンがかかり、脇には発表用の演台が設置されている。