スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

(ちょうど剥がれかかっていたし、今塗ってもいいかな?)

 光莉はルージュを箱から出し、スティックを剥き出しにすると小指でちょんと唇に塗った。

「どうです?似合います?」
「似合い……過ぎるな」
「瀧澤専務……?」

 徐々に近づいてくる瀧澤の整った顔立ちに、息が止まりかける。光莉は戸惑いながら目を瞑った。淡い期待はそのまま現実になった。

「ん……あ……」

 せっかく塗ったルージュがゆっくりと剥がされていく。唇をやわやわと甘噛みされ、艶めかしいくぐもった声が溢れて止まらない。

(あ……どうしよう……)

 もっとして欲しいとねだるように、瀧澤のカッターシャツの胸元を掴む。おねだりに応えるように、瀧澤は光莉の顎を指で持ち上げ、欲望のまま貪った。

 唇が離れていく時には寂しさすら覚え、自分の中に芽生えた衝動にひどく混乱する。

(キス……しちゃった……)

 先に沈黙を破ったのは瀧澤だった。

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