スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

 ハイヤーは二人を瀧澤のマンションの前で降ろすと、軽やかに道路を駆け抜けていった。
 先日は玄関脇のサービスルームまでしか立ち入らなかったが、今日はリビングルームの奥にあるベッドルームまで入っていく。
 ベッドルームに入るなり、うなじにキスを落とされる。

「瀧澤専務……っ……」
「この間言ったことを忘れたのか?」
「あっ……。久志さん」
「そうだ」

 抱き上げられて普段寝起きしていると思しきキングサイズのベッドに横たえられる。そこかしこに瀧澤の匂いがして眩暈がしそう。
 瀧澤は光莉にキスをしながらタイを首から引き抜き、シャツのボタンを外した。髪をグシャリと崩し、熱っぽい視線で見つめ返される。

(ああ、私……。もう一度この人と……)

 光莉はドキドキとうるさい鼓動を静めるのに必死だった。

「どうやって私と睦み合うのか……身体で覚えるんだ」

 シャンパンを飲んだせいだろうか。シュワシュワと泡が弾けるように、光莉の頭の中で淡い感情がふつふつと浮かんでは消えていく。
 瀧澤との行為は二度目だけれど、恥ずかしいし慣れるはずがない。
 肌を滑る指先と、荒い息遣いに意識が飛びそうになる。
 瀧澤が選んだレモンイエローのドレスのファスナーがゆっくりと下ろされていく。
 まるで最初からこうなるためにお膳立てされていたみたいだ。
 光莉は逆手でシーツを握りしめ、瀧澤の熱く昂ったものを受けとめた。
 シャワーを浴びる時間は与えられず、他人のようによそよそしく過ごした時間を埋めるようにひたすら求め合った。

< 116 / 198 >

この作品をシェア

pagetop