スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
瀧澤と映画を見に行くその日、光莉はクローゼットの前で悩んでいた。
「何を着ていこう……」
男性と、それも瀧澤と二人きりで映画を見に行く。これをデートと言わずしてなんと言うか!
しばらく悩んだ結果、裾がふんわり広がったマーメイドシルエットのロングスカートにVネックのニットを合わせた。
露希の指導通り鎖骨を見せるコーディネートだ。メイクは元々の骨格を活かしたナチュラルメイクにした。
瀧澤とはシネコンのチケット売り場の前で待ち合わせだ。先に着いた光莉は劇場の出入口から出てくる人からネタバレされないように、用心深く耳を塞いだ。
人気小説が原作となっている露希の映画の客入りは上々のようで、上映開始の三十分前にも関わらず、劇場の空席数を示すパネルには残席わずかと表示されていた。
(あ、露希さんだ)
ホールの壁面には映画の大きなポスターが飾られていた。ポスターを見上げていると、トントンと肩を叩かれる。
「待たせてすまない」
二人揃ったところで、鑑賞券を座席指定券に交換し、売店でジュースを買う。開場が始まり座席に座ると、一気にワクワクが高まる。
「楽しみですね!」
「ああ」