スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
露希が主演を務めた映画、『ストレイフォックス』は孤高の女刑事がある事件に巻き込まれた小学生の双子の兄妹を護りながら、犯人を突き止めていくというストーリー。
冒頭から激しいアクションシーンもあり、見ているこっちがハラハラさせられた。
犯人が捕まり最後に兄妹と別れるシーンになると、光莉の涙腺は決壊した。光莉はハンカチで涙を拭きながら、劇場を後にした。
「すっごく感動しました!特に最後のお別れのシーン!」
「君が感動できたならすごくいい映画だったんだろうな」
子役の演技もさることながら、警護対象の双子に不器用な愛情を注ぐ女刑事がメチャクチャかっこよかった。
まだ興奮冷めやらぬ光莉とは対照的に瀧澤は心動かざること山の如しといった様子。
「面白くなかったんですか?」
「普段の露希の姿がチラついて……あまり感情移入できなかった。失敗しないか心配で……。ストーリー自体は良く出来ているとは思った」
「あはは!お兄ちゃんらしい台詞ですね」
ミステイクはもちろん編集の段階でカットされるということに、瀧澤は気づいているだろうか。
妹が心配だなんて可愛らしいところがあるんだと笑えてしまう。
「帰る前に映画のポスターを撮ってきてもいいですか?」
「ああ」
光莉はいそいそとトートバッグからスマホを取り出し、ポスターの前に立った。
スマホを構えると、着信を知らせる通知が目に入る。
映画が始まる前にサイレントマナーモードにしてバッグの中にしまっていたので、着信があったことに今まで気が付かなかったのだ。
相手の名前を見て目を見張る。