一晩だけのつもりだったのに、スパダリ専務の甘い手ほどきが終わりません……なぜ?

「ずるいですよ……!」
「ずるいのは君だろう?名前で呼べと言っているのにいつも焦らす」
「お願い……久志さん」
「……煽り方だけは上手くなったな」

 瀧澤は低くうめくと、耐えかねたように光莉の唇にくらいついた。
 外でするには、あまりに刺激的な口づけだった。
 ……やっぱりこれは罰なのだ。
 セフレの分際で瀧澤からの求めに応じなかった光莉に、もう二度と拒まないよう指導している。
 光莉は目を瞑り、瀧澤のキスをじっくりと味わった。

(大人のカンケイ……でもいい……)

 こんなに熱いキスをしてもらえるのなら、たとえセフレでも構わない。いつかはこの関係を終わらせなくてはいけないけれど、今はもう少し溺れていたい。
 光莉はあっさり陥落した。
 いちから教えなおすの言葉通り、光莉は酸欠になりそうなほどたっぷりのキスをもらった。

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