スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
「僕、ひかりお姉ちゃんと結婚したいな〜!」
祐至はたまごサンドを頬張りながら、光莉をじいっと仰ぎ見た。
「お姉ちゃんをお嫁さんにしてくれるの?」
「うん、いいでしょ?」
ニコリと笑う祐至に対し、瀧澤の表情は硬い。粧子と麻里は色々と察したようだ。
「ご、ごめんなさいね!この子、結婚する!がブームなだけで……!」
「そうそう!悪気はないんです!」
粧子は息子の口を優しく塞ぎ、麻里が焦ったように弁解する。数々の修羅場を乗り切ってきた義理の姉妹のチームワークは抜群だった。
「おかあさん!おトイレ!」
「ええっ!わかったわ!」
「透もおむつ変えてこよっか!」
「俺も行く」
槙島家御一行はそれぞれトイレとおむつ替えのために、屋敷の中に入って行った。
「参ったな。五歳児に先を越されるとは……」
「え?」
「私が君と結婚できるのはいつになることやら……」
結婚の二文字が瀧澤の口から出てきて、光莉は居住まいを正した。
瀧澤と一緒にいる時間が幸せで、ずっと先延ばしにしていたけれど、今言わなければズルズルと後回しになるだけだ。
「あの……遊佐さんの駐在先の先輩が、家庭の事情で帰国されるのはご存知ですか?」
「ああ。報告はもらっている」
「私、実は後任に立候補しているんです」
駐在員に立候補していることは、瀧澤にも隠していた。相談していた遊佐にも自分で言うと口止めをしていた。