スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

 当時の斗真の気持ちもわからないでもない。
 今でこそいくらかマシになったが、斗真と付き合っていた大学時代は髪も短く、肌は日に焼けて真っ黒だった。身体も筋肉質だったし、普段着は着古したジャージという具合。
 これで女性として扱えというのもいかがなものか。光莉に女性としての美意識が欠けていたのは確かだ。
 それでも、斗真に植え付けられた女性としての劣等感はそう簡単に拭えるものではなかった。
 光莉は未だに男性と交際することに及び腰になっている。

「私っていつまでこうなんだろう……」

 斗真は光莉に何を言ったのか、すっかり忘れていることだろう。
 光莉だって本音を言えば誰かに愛し愛されてみたい。
 永遠の愛を信じられるほど、無邪気ではないけれど穏やかに愛を育んでみたい。

(いい加減、前に進まなくっちゃ……)

 猪突猛進にボールを追っていた昔の姿はどこに行ってしまったのだろう。
 スタミナモンスターの名前はそろそろ返上するべきなのかもしれない。



< 55 / 198 >

この作品をシェア

pagetop