出会ったのは間違いでした 〜御曹司と始める偽りのエンゲージメント〜
買ってきた弁当を、ガザガサいわせて袋から出している龍を見て、深雪は呆れたように息を吐く。
「よく飽きずに毎日コンビニ弁当食べられるわよね。栄養偏りすぎよ? たまには野菜も食べなさいよ」
「一応毎日違うやつだ。野菜はたまに食ってる」
深雪の小言を受け流しながら龍は弁当の蓋を開ける。今日は焼き肉弁当だ。深雪の言う通り、龍が食べているのはほとんどが肉がメインのものだ。実乃莉が知る限り、野菜はほとんど摂っている様子がない。
龍は手を合わせたあと早速肉を一切れ持ち上げると口に放り込んだ。
「毎日違うって……。三食とも下のコンビニじゃない。上お得意様にもほどがあるわよ。今はまだなんとかなっても、そのうち誤魔化しきかなくなるんだから。デブまっしぐらね」
遠慮なく言いたい放題の深雪のことなど気にすることもなく、龍は弁当に向かったままそれに答える。
「だからジム行ってるだろ」
「それで帳尻合わせたつもり? いつまで若くないんだからね!」
「確かに。お前がもう三十一になるくらいだからな」
子どものような言い合いをハラハラしながら見ているのは実乃莉だけで、龍は涼しい顔をして食事をしている。
「私の年はどうでもいいでしょ!」
案の定、深雪は声を荒げる。かと言って本気で怒っているわけではない。仲の良い兄妹の喧嘩、それも妹が一方的に噛み付いているようにしか見えないと周りからは言われている。
不服そうな表情をしたあと、深雪はまた自分の弁当に向き直る。
と、突然「そうだ!」と両手を叩いた。
「実乃莉ちゃんにお弁当作ってもらったら? 毎日手作りしてるんだって。栄養バランスはバッチリだし、いつも美味しそう。そうねぇ……一食千円で!」
人差し指を立て龍に突き出すと深雪は名案とばかりに声を上げた。
「せっ、千円なんて高すぎです!」
先に声を出したのは実乃莉のほうだ。材料費をざっと見積もっても半分もいかない。
「ってことは、実乃莉ちゃんは作ってくれる気ある? ほらぁ。いいじゃない、龍。頼んでみたら!」
深雪はワクワクしたように明るく投げかけていた。
「よく飽きずに毎日コンビニ弁当食べられるわよね。栄養偏りすぎよ? たまには野菜も食べなさいよ」
「一応毎日違うやつだ。野菜はたまに食ってる」
深雪の小言を受け流しながら龍は弁当の蓋を開ける。今日は焼き肉弁当だ。深雪の言う通り、龍が食べているのはほとんどが肉がメインのものだ。実乃莉が知る限り、野菜はほとんど摂っている様子がない。
龍は手を合わせたあと早速肉を一切れ持ち上げると口に放り込んだ。
「毎日違うって……。三食とも下のコンビニじゃない。上お得意様にもほどがあるわよ。今はまだなんとかなっても、そのうち誤魔化しきかなくなるんだから。デブまっしぐらね」
遠慮なく言いたい放題の深雪のことなど気にすることもなく、龍は弁当に向かったままそれに答える。
「だからジム行ってるだろ」
「それで帳尻合わせたつもり? いつまで若くないんだからね!」
「確かに。お前がもう三十一になるくらいだからな」
子どものような言い合いをハラハラしながら見ているのは実乃莉だけで、龍は涼しい顔をして食事をしている。
「私の年はどうでもいいでしょ!」
案の定、深雪は声を荒げる。かと言って本気で怒っているわけではない。仲の良い兄妹の喧嘩、それも妹が一方的に噛み付いているようにしか見えないと周りからは言われている。
不服そうな表情をしたあと、深雪はまた自分の弁当に向き直る。
と、突然「そうだ!」と両手を叩いた。
「実乃莉ちゃんにお弁当作ってもらったら? 毎日手作りしてるんだって。栄養バランスはバッチリだし、いつも美味しそう。そうねぇ……一食千円で!」
人差し指を立て龍に突き出すと深雪は名案とばかりに声を上げた。
「せっ、千円なんて高すぎです!」
先に声を出したのは実乃莉のほうだ。材料費をざっと見積もっても半分もいかない。
「ってことは、実乃莉ちゃんは作ってくれる気ある? ほらぁ。いいじゃない、龍。頼んでみたら!」
深雪はワクワクしたように明るく投げかけていた。