愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「ヒロインはどうして、箱庭を大事にしないんだろう」

 シナリオパートよりも箱庭パートに力を入れていたペリウィンクルだからこそ、リコリスの所業は許し難いものだった。
 同時に、前世で同じような箱庭を見た時を思い出して、嫌悪感を覚える。
 何を隠そう、前世のペリウィンクルは逆ハーレム反対派だったのだ。

 重課金勢だったペリウィンクルは、逆ハーレムルートをクリアできる条件を満たしていた。
 それをしなかったのは、一対一で愛し愛される関係に憧れていたからだ。

 転生して、新しい人生を送っていても、それは変わらない。
 たった一人だけを愛し抜く。
 それがペリウィンクルが求める恋であり、愛である。

 逆ハーレムルートでは、それは決して完成しない。
 好む人がいるということは理解しているが、したいとも思わなかった。
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