愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「ちょっと……?」

「ちょっとだ」

 今更、妖精らしくしれっと誤魔化したって遅い。
 妖精に何かしてもらうには、対価が必要だ。契約もしていないのに何かしてもらうなんて、一体どんな対価をふっかけられるか。
 ペリウィンクルは、様子を窺うようにそろそろとヴィアベルを見上げた。

「ヴィアベル、私はそれに見合ったものをあげられないよ?」

「大丈夫だ。問題ない」

「そう?」

「私とおまえの仲ではないか」

「……それもそっか」

 祖父とヴィアベルと三人で過ごした時間は、いつの間にかヴィアベルと二人で過ごした時間より短くなっていた。
 きっとヴィアベルは、育ての親のような感覚なのだろう。

 そう思ったペリウィンクルは、さして考えもせずにヴィアベルの言葉を受け流した。
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