愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
 ローズマリーがおねだりする時に使う、捨てられた子犬のような目で見上げると、ペリウィンクルは「ぎゅ」と喉を絞められたような声を漏らし、観念するように両手を上げて降参のポーズを取った。

「知っているというか……ちょっとお茶会をしただけですよ」

「お茶会? いつ?」

 そんなことは初耳である。
 聞いていないのだけれど、と責めるようにペリウィンクルを睨めば、「だから黙っていたんです」と困ったように返された。

「数日前の、三日月の夜に。学校の南にあるガゼボでしました」

 ペリウィンクルの答えに、ローズマリーは不満そうにしていた目を、驚きに見開いた。

「……それは、本当?」

「ええ、そうですけど」
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