聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
『…はい』
聞き覚えのある声。菜々は、泣きそうになるのを必死で堪えた。
「もしもし?矢嶋先輩ですか…?」
『…橋本ちゃん?なんで番号…』
「堀越先輩が教えてくれたんです。私が矢嶋先輩と連絡とりたいって言ったから。
『そうなの!?マジか。嬉しいよ。で、どうしたの?』
「先輩、大学合格したんですよね?おめでとうございます。」
『ありがとう!橋本ちゃんにそう言ってもらえると、マジで嬉しい。頑張った甲斐があったよ。』
――本当に嬉しそうな声。先輩を信じてもいいのかな…。
菜々は、スマホを持つ手に力を込めた。