麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑦/危険色の進路決す!
過激な夏の扉/その16
麻衣



「…ヤツ、部外者だって承知してよ、陸上仲間の横田を事前に執行部の許可も得ずに火の玉当日、担ぎだしてさ。それで、南玉の方針が決する前に二人でフライングよ」

おお、ここでカモシカも登場してきたな

「でよ…、南玉の方針出るのがアンタらの指定した刻限に間に合いそうにないとなったら、南玉メンバーの自分じゃなく、部外者の横田に無理やりその場で南玉加入を宣言させて、アンタのタイマン相手に仕立てちゃってね。ずる賢いのよ、本田ってヤツ」

この人、実に”事実”を自己都合に合わせるすり替えがうまい

さすがだねー


...


「で…、自分はビビッてさあ、横田一人を置いてこっち戻ってんのよ!アイツ、顔だけじゃなくて腹ん中まで真っ黒だっての、私は以前から見抜いていたからね。横田がアンタに恨みを持ってるの承知してて、彼女が断らないことを見越した上でだもん。したたかなもんよ。この際、界隈でヤツの心根、ばっちり晒してやってちょうだい!」

いやあ、さすがにこの辺までくるといい加減、ゲップが出てきそうだった(呆れ笑)

ただし、本田多美代はせっかくだから、木戸ちゃんの望み通り”世論”を使って痛めつけてやるわ

あの浅黒のチビ、これまで何かにつけてしゃしゃり出てきて、一度懲らしめてやんないとって思ってたから…

真樹子さんも言ってたけど、総集会の時にはイケイケを先導して久美をぶん殴りやがったんだ

それに、私の標的であるカモシカとは昵懇の仲ってとこで、この機会での一撃は後々を考えると有効だろう

そういう意味では、最後まで木戸ちゃん、私達にいいボールを投げてくれたわね(爆笑)






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