フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 こんなにも容易く達するなんて驚きでしかないが、どうやら胸だけで軽く達してしまったらしい。

 驚きと達した余韻とで穂乃香は茫然としてしまっている。

 乱れた息もそのままに、奏の頭に縋るように抱え込むことしかできずにいる穂乃香の耳元に、奏の甘やかなバリトンボイスが囁きかけてくる。

「誰にも隙を見せない難攻不落の高嶺の花とはよく言ったものだな。俺の優秀な第二秘書であり恋人でもあると周知されてるからだろうが。生真面目でお堅い穂乃香をこんなにも淫らに善がらせているんだと思うと、それだけで堪らない気持ちになる。もっと優しくしたいと思うのに、どうにも抑えが効きそうにないよ」

 ――〝誰にも隙を見せない難攻不落の高嶺の花〟ってどういう……。

 奏の甘やかな愛撫に思考もろとも蕩かされてしまっている穂乃香には、奏の言葉の意図がさっぱり掴めない。

 それもそのはず。これまで地味な装いを貫いてきた穂乃香には、あるコンプレックスがあった。

 それは中学に上がる少し前から発達が著しくなってしまった身体的変化によるものだ。

 身長は平均的だったのに対し、どういうわけか胸の発達が突出してしまった。

 おかげで周囲の視線、主に男性の視線がいやらしいものになって、危うく悪戯されそうになった経験だってある。

 以来できるだけ目立たないように細心の注意を払ってきた。社会人になってからもそれは変わらず、薄化粧を心がけ地味な装いを徹底している。

 穂乃香自身それで諸々誤魔化せていると思っているのだが、九州の田舎で気立てが良く器量良しだと評判だった母譲りの、和風のおっとり美人という言葉がピッタリな色白の小顔がかえって引き立っている。

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