フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
現金すぎる自分に呆れつつも、早く奏の誤解を解いて不安を払拭してあげたい。そう考えた穂乃香は奏の首に両腕を絡めてぎゅっと抱きついた。
「まだ胸だけなのにこんなにも感じて、このままだと、どうなっちゃうんだろうって、怖くなっただけですから、もう平気です」
するとどういうわけか奏の動きがピタリと止まり、どうしたのかと穂乃香が不思議に思っているところに、奏がほっと安堵の息を漏らす気配がして束の間。
先ほどとは打って変わって、自信に満ちた奏の甘やかなバリトンボイスが穂乃香の鼓膜だけでなく心までをも打ち震わす。
「だったら、怖いなんて思っているような余裕もなにもかも全部、今すぐこの俺が拭い去ってやるから安心しろ」
少々傲慢な物言いとは裏腹に穂乃香の不安を何とか拭おうと、抱きついた穂乃香を逞しい胸に抱き寄せ、頭と背中とを大きな手でポンポンと優しく撫でてくれる。
元彼と比較するのもどうかと思うが、元彼には欠けていた、穂乃香を気遣う優しさと、穂乃香を好きだという熱い想いとが奏の言動からも身体からも温かな体温と一緒にひしひしと伝わってくる。