フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
***
「おかしくないですか?」
「まさか。可憐な穂乃香によく似合っていて、とっても綺麗だよ」
「そ、そうでしょうか……」
「ああ、本当によく似合ってるよ」
「ええ、本当に。奏様の仰る通りでございます。奥様は色白ですので、何をお召しになられても似合っておいでです。羨ましい限りですわ」
休日である土曜日の昼下がり。ブランドに疎い穂乃香でも知っているハイブランドのVIPルームで、穂乃香は着せ替え人形の如くありとあらゆるドレスに身を包んでは、奏に見せて意見を求めている。そのたびにスタッフを交えて、このようなやり取りを重ねていた。
もうかれこれ一時間近く続いているだろうか。
近々取引先であるT&Kシステムズが主催する創立記念パーティーに、穂乃香も奏のパートナーとして出席する予定になっている。
その際に着るドレスを選んでいるところだ。
なので竹野内家御用達のハイブランドショップに、奏曰く〝初めての記念すべきデート〟を兼ねて赴いているというわけである。
奏と結婚したからには、今後とも公式の場に同伴する機会も増えるのだろう。となれば、自ずとドレスも必要になるのは理解できる。
だが同じドレスなど着ないだろうし、だったらレンタルで充分だ。お財布にも優しいし。
そう何度も主張したのだが、奏は聞き入れてなどくれなかったのだ。