フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
だというのに、募りに募った奏への恋情に、ただ戸惑うばかりの穂乃香の鼓膜を甘やかなバリトンボイスが擽るように囁きかけてくる。
「穂乃香、とっても綺麗だよ。今すぐ押し倒したいぐらいだ」
心なしか奏の声音までもがやけに艶めいて聞こえる。
迂闊にもうっとり聞き惚れていた穂乃香だったが、最後の聞き捨てならない言葉で我を取り戻した。
――押し倒すって、こんなところで? そ、そんなの絶対ダメ!
「ちょっ、何言ってーーん、んんっ……!」
直感で身の危険を察知し奏の厚い胸板を押し返そうにもビクともしない。
阻むつもりが逆に背後の鏡の壁へと押しやられてしまう。
背中に冷ややかな感触がもたらされたと思った際には、奏の形のいい唇が穂乃香のそれへと重ねられていた。
穂乃香の唇のあわいから奏のぬるりとした熱い舌が無遠慮に差し込まれ、突然の出来事に思考が追いつかず惑う穂乃香の舌は、根元から浚うようにして搦め捕られてしまった。
紡ぎかけていたはずの制止の言葉は中断され、やがてあえかな喘ぎへと移り変わってゆく。
「……ぁ、んぅ……ふ……ん、んぅ」
穂乃香の濡れた舌の根元から側面にかけて、滾るように熱くなったざらついた舌先でゆっくり丁寧に擦ってなぞりあげてゆく。