フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
されるがままでいると、見る間にバスタブの脇にある平らなスペースへと抱き上げられていた。
「――ひゃっ!?」
一瞬、穂乃香の火照った尻たぶにひんやりとした感触が走り、思わず目を閉ざしビクついてしまう。けれど火照った身体には心地が良いくらいの冷たさで、声の割には大して冷たくはない。
それよりも、自身の置かれている状況が非常に気にかかる。
目を開け慌てて起き上がろうとしたのだが、穂乃香の動きを制するようにして、正面に立ちはだかっていたらしい奏の手により、両足を膝裏から肩に担ぐようにして高く抱え上げられてしまう。
そうして穂乃香が状況を把握するより先に、大胆に押し開かれてしまった足の付け根に顔を埋められてしまうという、何とも恥ずかしすぎる体勢へと持ち込まれてしまっていたのだ。
どうやら、先ほど口にしたことを行動に移すつもりでいるらしい。
そう理解が及び、恥ずかしくないわけがない。
奏とは既に身体の関係を持っているとはいえ、恥ずかしいものは恥ずかしい。
これからもこういう経験を積むことになるのだろうが、こんなことに慣れる気がしない。
「あっ、ちょっ……!」
羞恥に塗れながらも慌てふためいた穂乃香が、この状況を打破しようと身を捩るも、軽く達しただけとはいえ、強烈な快感を得た身体は未だ自身では制御不能で、上手く動くことができない。
もたついていると、ふっと柔らかな微笑を漏らした奏から、魅惑の低音ボイスが放たれ、一瞬、救いの声かと思ったのが……。
「暴れたら、奥まで可愛がってあげられないよ。それに身体も痛くなる。ほら、じっとして」
そんな虫のいい話があるはずもなく、穂乃香の希望に添うものではなく、穂乃香の動きを封じる台詞だった。
それでもこのままでは、あまりにも恥ずかしいと、何とか異を唱えてみる。
「こ、こんな格好で……む、無理です……」
けれど何とか放ったその声は、えらく頼りないものだった。
なぜなら、何よりも穂乃香の気持ちを優先してくれている奏は、普段は温厚で優しい心根の持ち主ではあるが、こういう場面では聞き入れてもらえないということは、既に経験済みだからだ。