フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 案の定、穂乃香が何とか紡ぎ出した言葉を耳にした奏は愉快そうに、ふっと不敵な笑みを零した。

 穂乃香は不穏な気配を察して、身体をぎゅっと竦ませる。

 同時に穂乃香の足の間に顔を埋める体勢で待機していた奏が、少しばかり黒い笑みを湛えた端正な相貌をぐっと眼前まで寄せてくる。

 自身の股ぐらを挟んで奏と相対する羽目になった穂乃香は、思わず息を詰めた。

「だったら、穂乃香が無駄な抵抗などできないように、どこもかしこも愛し抜いて、余裕を根こそぎ奪うしかないな。余裕も何もかも奪い去って、俺のことだけで埋め尽くしてしまうためにも」

 いつもの泰然とした、大企業の経営者として見せる実に堂々とした威圧感を孕んだその声音は、言葉同様に決然とした凜々しいものだ。

 そこに、情事限定で見せる、妖艶な色香を纏った、麗しい相貌と狂おしいほどの熱視線とが加われば、太刀打ちなどできるはずもない。

 ましてや想いを寄せる相手なのだから、当然だ。

 愛する人に、こんなにも求めてもらえるなんて、これ以上の喜びはない。

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