フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
すると、穂乃香を腕に包み込んだままの奏の身体がビクンッと大きく反応を示し、苦しげな呻き声と困惑に満ちた声音とが密着した身体から伝わってくる。
「くッ……そんなに可愛いことを言って、穂乃香は俺を腹上死させる気なのか?」
当然のことながら穂乃香には、そんなつもりなどまったくない。
一瞬、キョトンとしてしまったが、何だか無性に可愛く思えてくる。
――奏さんってば、可愛い。
これまでも、駄々っ子になってみたり、ワンコみたいになってみたりと、奏の色んな一面を垣間見てきた。
そのどれもが、大企業の社長である泰然とした奏からは、想像もつかないほど、かけ離れたものばかりだ。
――そのすべてが愛おしくて堪らない。
だが腹上死なんかされたら非常に困る。一分でも一秒でも長く一緒にいたい。そう心から願っているのだからーー。
穂乃香は奏の胸を押し返して奏の顔を見上げつつ、少しばかり拗ねた声音で想いを紡ぐ。
「腹上死なんてしたら許しませんから。こんなにも好きにさせたんですから、責任とって私より長生きして、ずっとずっと一緒にいてください。じゃないと離婚しちゃいますからね」