フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
艶めかしく濡れた音と二人の乱れた息遣いとが浴室で反響し、二人の官能を高めてゆく。
くたりと力の抜けきった穂乃香の身体を支えてくれていたはずの奏の手が、気づけば胸もとへと這わされており、左のふくらみを愛おしげにまさぐり始めた。
途端に、深く重なり合った唇のあわいから、穂乃香のあえかな嬌声がまろび出る。
「……はぁ……んぅ、あぁッ」
そんなタイミングで奏のキスから解放された穂乃香が、名残惜しさを覚えていたそこに、少しばかり意地悪な色を滲ませた奏のバリトンボイスが投下された。
「穂乃香、そんなに物欲しそうな顔をするほど、俺とのキスは気持ちよかったのか?」
その声に導かれるように閉ざしていた瞼を押し上げる。
すると、涙で霞んだ視界に、蕩けるように甘い眼差しでこちらを見下ろす、奏の端正な相貌が映し出された。
言葉は意地悪そのものだが、表情は生き生きとしていて、とっても嬉しそうに見える。
そうさせているのが自分なのだと思うと、たちまち喜悦が込み上げる。心臓までもが喜びを表すように、トクンと甘い音色を奏でた。
――こんなにも奏さんのことが好きなんだ。
今夜想いが通じ合えただけでなく、同じ想いでいてくれるのがわかったからだろうか。
奏の言動のひとつひとつが愛おしくてどうしようもない。
奏への想いが次々溢れてきて、もう止まりそうにない。