フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 平常時よりも速いスピードで刻み続ける奏の鼓動を感じつつ、穂乃香はぼんやりとした意識の中で、奏と心から結ばれた喜びを噛みしめていた。

 もういっそ、奏のぬくもりに包まれて、このままずっと幸福感と恍惚に酔いしれていたいぐらいだ。

 だがまだまだ始まったばかり。

 奏にも今夜は寝かせるつもりはないと宣言されているように、寝る間も惜しんで奏に愛し抜かれるんだろう。

 奏からの宣言は、心底嬉しかったし、穂乃香もそうしたいと心から望んでいた。

 けれど達したばかりで立て続けに追い打ちをかけられようとは、思ってもいないことである。

 穂乃香が奏の逞しい胸板に頬を擦り寄せ微睡んでいると、ふいに奏の心配そうな声音が耳に届いた。

 混沌としていた意識も幾分覚醒しているようで、今度は内容もハッキリと頭に入ってくる。

「穂乃香、少し刺激が強すぎたようだな。年甲斐もなく盛ってしまい、悪かった」

 その声に穂乃香はハッとする。

 なぜなら、その声はえらく沈んでいて、先ほどの歓喜に満ちた声とは似ても似つかないものだったから。

 どうやら奏は、無反応な穂乃香の身体を案じてくれているようだ。

 確かに、いきなり強烈な快感を食らったせいで盛大に達しはしたが、驚きの方が勝っていただけで、身体にはダメージはまったくない。

 むしろ、奏が年甲斐もなく盛ってしまうくらい、我を忘れてくれていたなんて、これほどまでに嬉しいことがあろうか……。

 ――いや、絶対にない! そう言い切る自信がある。

 なんならもっと我を忘れた奏の姿を見てみたいくらいである。

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