フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
必然的に奏の姿を見上げる格好となり、穂乃香の様子を観察でもするかのような、真剣な眼差しに囚われてしまう。
麗しい相貌に心配の色を湛えてはいるが、元々の素材が優れすぎているうえに、穂乃香限定の特殊なフィルターがかかっているようだ。
そう思ってしまうほど、奏の端正な相貌はキラキラと眩いくらいに輝いて見える。
そこに色香までが上乗せされて、神々しいほどである。
「どこか痛いのか? 夫である俺に遠慮など必要ない。我慢せず正直に言ってほしい」
しばし奏に見蕩れていたが、奏が口にした「夫である俺」という甘いフレーズが穂乃香の鼓膜と心をくすぐって、甘やかな熱となり、胸の奥へとじんわりと染みてゆく。
たちまち胸がいっぱいになった穂乃香は、奏に飛びつくような勢いで抱きついてしまう。
そして膨らみに膨らんで、胸に納まりきらない奏への想いが溢れるままに言葉を紡ぎ出していた。
「気怠いだけで痛いところなんてありません。夫である奏さんに、たっぷり愛してもらって、とっても幸せですよ。なんならもっともっと愛してほしいくらいです」
言い切る寸前、どこからともなく、ズキューンッと何かが打ち抜かれる音が響き渡ったような、そんな気がしたが、穂乃香にはそれが何なのか見当もつかない。