フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
穂乃香が不思議な感覚に囚われかけていると、頭上から奏の声音が投下された。
「……っく、穂乃香」
だが先ほどのシュンとした声音とは違い、なにやら苦しげだ。
――この苦しそうな声って……確か、昨夜も聞いた覚えが……。
穂乃香がその場面を思い起こすよりも早く、覆い被さってきた奏によってぎゅうぎゅうに抱き込まれていた。
そこに、先ほどと同じ苦しげな声音が密着した奏の身体から伝わってくる。
「そんな可愛いことを言われたら、抑えが効かなくなる。昨夜、散々無理をさせたというのに……。起きた瞬間から、穂乃香のことが欲しくて欲しくて、どうしようもなかった。穂乃香が起きなければ、寝込みを襲っていたかもしれない。今だってそうだ。新妻の体調を気遣いながら、頭は不埒なことでいっぱいなんだ。どうなっても知らないぞ。それでもいいのか?」
言葉は傲慢なものだが、どれもこれも、穂乃香を狂おしいほどに求めてくれるからこそだ。
――「それでもいいのか?」なんて、愚問だ。そんなの良いに決まってるじゃない。それより〝新妻〟だなんて。嬉しいけど、何だか照れる。
愛おしい奏の口から、またもや紡ぎ出された〝新妻〟というホットワードに穂乃香の胸はキュンキュン鳴り止まない。
穂乃香は昂ぶった感情のままに想いを紡ぎ出してしまう。
「奏さんってば、さっきの私の言葉、聞いてました? 良いに決まってます。私だって、今すぐ奏さんが欲しくて堪らないんですから。それほど愛してるんです。今すぐ奏さんが欲しいの。だから、お願い」
昨夜、奏を煽りに煽ってしまった、無自覚なお強請り攻撃まで炸裂しているとは気づかずにーー。