フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
けれど、奏の不遜な表情と、意地悪な色を滲ませた傲慢な口振りから、奏が時折見せる俺様仕様へと切り替わったというのは、なんとはなしに理解できた。
そしてそれが発動された場合の奏は非常に意地悪で、変態チックになるということも、奏が発熱したあの夜に既に経験済みである。
奏に散々愛され尽くした余韻がそこかしこに残る身体には、ゾクゾクと総毛立つ感覚が駆け巡る。
そこに、再び奏から意地悪な色を孕んだ甘い美声が降らされた。
「俺は、穂乃香の香りを嗅いだだけで、どうにかなりそうだ。もう余裕もない。だから教えて欲しい。俺にどこをどう愛して欲しいかを詳細に。余裕があるんだ。もちろん、できるよな?」
穂乃香が秘書として仕える社長としての奏を想起させる、実に堂々とした、清々しいまでに決然とした物言いである。
穂乃香は自分の置かれている状況も忘れて、うっかり胸をキュンとときめかせてしまったが、そんな場合ではない。
完全に俺様仕様に切り替わってしまった奏を止める術などない。
おそらく、奏にどこをどうして欲しいかを口にするまで触れてすらもらえないだろう。