フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
――ど、どうしよう。もうすぐ奏さんに会えるんだと思うと、ドキドキして落ち着かない。メイク濃くないかな? ドレス、大丈夫かな?
会場で奏に会えると思うと、自身の身なりが気になって仕方ない。
愛する旦那様である奏に、少しでも綺麗だと思ってもらいたいーーという気持ちの表れである。
以前、奏と共に訪れていたハイブランドのフィッティングルームで、あの時同様に、着せ替え人形の如く着飾ってもらった穂乃香は、大きな姿見に映る自身の姿を前に、ドキドキそわそわしている真っ最中である。
けれど、時間は刻々と迫っているのだ。いつまでもここに留まっているわけにもいかない。
穂乃香はフィッティングルームの外で待機してくれている柳本の元へと歩みを進めた。そして無駄だとは思いつつも、一応意見を求めることにする。
「……あ、あのう、柳本さん。おかしくはないですか?」
「いいえ、まったく。おかしいところなど一切ございませんよ。他でもない、奏様が、穂乃香様にお似合いになると判断されてお選びになったのですから、完璧でございます」