フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

***


 非常に頼もしい柳本からのお墨付きをもらった穂乃香は、もうすぐ奏に会える喜びに胸を躍らせつつ、パーティー会場であるホテルへと向かった。

 だがその道中、不吉な報せが舞い込んできて、穂乃香の心は真っ黒な闇に取り込まれてしまう。

 会場に向かう車中の助手席に座している柳本のスマホに着信があったのだが、その対応中、いつになく柳本は動揺の色を見せていた。

 何事があろうとも冷静なはずの柳本の異変に、胸騒ぎを覚えた穂乃香は膝上で自身の手をぎゅっと握りしめ、その動向を見守ることしかできないでいる。

 そんな中、電話対応を終えた柳本から、これまで同様の落ち着き払った声音が放たれた。

「パーティーなのですが、穂乃香様にはお一人で出席していただかなくてはならないようでございます」

 いつもは理路整然とした物言いをする柳本らしからぬ言葉に、穂乃香の懸念は色濃くなってゆく。

「……そ、それは、どういうことですか?」

 穂乃香は震える声で問い返すのが精一杯だ。

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