フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 ――奏さんは、どんなことでも有言実行する人だ。私を残していなくなったりしない。絶対に。

 穂乃香は、まだ何の兆しもない自身の腹部に手をそうっと添えながら、心の中で何度もそう言い聞かせていた。

 その後、奏に関する連絡はないものの、何かあれば柳本に一報が入るようになっているため、報せがないのは無事であると思うしかない。

 それからほどなくして会場であるホテルへと到着した穂乃香は、柳本の心強いサポートのおかげで、奏の代役を何とか勤め上げることができた。

 プロジェクトの締結式を滞りなく終えた現在。主催者でありT&Kシステムズの社長である九條尊と、その妻であり〝若き美人華道家〟としても知られている美桜と談笑に耽っているところだ。

 尊は、今をときめくIT企業の経営者だけあり、もうすぐ三十三歳という若さでありながら、優れた容姿と堂々とした佇まいには畏怖を抱かせるほどの貫禄さえ感じる。

 一方美桜は、二十三歳と年も若く、とても三児の母親とは思えないほど愛らしい和風美人だ。

 尊は愛妻家としても有名らしいが、なるほどと頷けるほど、美桜への溺愛ぶりを見せつけられているこっちが気恥ずかしく感じてしまうほどである。

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